☆旧暦の行事
暦配り
折に触れて、旧暦に関することを書いてまいりました。
そして今日からの一年は、もう少し細かい所にも焦点を当てて、たまにですが記事にしていこうと思います。
さて昨日。
12月1日は、旧暦では11月1日となっております。
この日は旧暦では「暦配り」、新しい年に向けて暦を配る日とされていました。
例えば江戸時代では、暦と言うのは幕府の特許事業でして、決められた業者しか正式な暦を作ることが許されませんでした。
そんな暦を、公認の暦業者が寺社仏閣では信者に、これまでの信心への感謝を込めて。
また商家ではお世話になったお客に、これからの商売繁盛と感謝を込めて。
暦配りをするのが昨日、旧暦の11月1日だったのです。
なので我が家も昨日から、新しい旧暦を部屋に懸けました。
暦を意識すると、まるで一年が地球や宇宙(主に太陽と月)と一緒に鼓動する生き物みたいに感じられるので不思議です。
暦配りと、人の心
こうしてみると、暦配りは現代人がイメージする単なる配布作業ではなく、もっと奥深い意味合いがあったと分かります。
まず、農業とその背景にある自然に対する畏怖と予測という面。
そして配る側の感謝と絆深めのための行事という面。
それから配られた側には次の事柄が生まれてきます。
それは、配る側への好意と新年を迎えられるという実感です。
これがまた、日本独特の文化的な交流として根付いていたようですね。
この暦配りの名残りの一つが、現代でも行われている年賀状であるという方もいらっしゃいます。
確かに、元旦に年賀状を受け取ると、ああまた新しい一年が始まるとおめでたい気持ちが内側から湧いてくるのを感じますよね。
ただ、二ヶ月前の郵便料金改定で、葉書がこれまでの84円から一気に110円に上がったので、いよいよこの年賀状文化も一気に無くなっていくような気がしております。
寂しい事ではありますけれど。
三日月
という事で我が家では、昨日から新しい旧暦表(カレンダー)を部屋に懸けました。
気分の良いものです。
これによると、来年は閏水無月というものがあって、一年が十三ヶ月となっています。
通常よりも一ヶ月分長くなるとなっています。
閏水無月ですから、通常よりも水無月が一つ分増えるということで、つまり夏が長い。
つまり、夏が今年よりも格段に長くて暑くなると予測されています。
困った事になりそうですね。
余談ながら、昨日が11月1日で、今日が2日で明日が3日。
なので明日が三日月の夜となるわけです。
旧暦は月の運行も考慮していますから、こういう所がハッキリしています。
三日月の日は、旧暦全月の三日であり。
十五夜は旧暦全月の十五日である。
これが新暦だとバラバラになるので分かりにくいのです。
明日は三日月で、新暦の12月3日。
三日が揃うじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、新暦でもたまに揃う事があると言った、そんな程度の話であります。
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊