☆離層形成という仕組み
紅葉と黄葉
寒暖の差が激しくなってきた札幌です。
今朝は雨、そして強い風。
これが季節の代わり目がやってきている証拠。
この変わり目を感じた植物達で、紅葉(黄葉)を始めるものもあります。
例えば、楓(かえで)。
これは紅葉の代名詞となる植物でもありますよね。
銀杏(イチョウ)も、そうです。
我が家の楓と銀杏の今の様子がこちら。
先に楓。
こちらが紅葉。
そして銀杏。
こちらは、黄葉。
秋に見られる落葉樹の葉の色変わりを、赤も黄色も同じように「こうよう」と発音するところも日本語の妙ですね。
広葉樹について
広葉樹(こうようじゅ)と読みます。
樹木の葉が平たいものの事です。
一方、針葉樹(しんようじゅ)というのもあります。
こちらは、樹木の葉が細長く尖っているものです。
さて、広葉樹ですが、これは二つに分けることができます。
一つが、常緑広葉樹。
一年中、葉が緑もしくはそれに近い色で、季節に関係なく常に葉をつけている樹木の事です。
そしてもう一つが、落葉広葉樹。
こちらは冬に葉を落とす樹木で、その落葉前に葉を紅葉させるという特徴があります。
楓を「もみじ」と呼び、それが代名詞となってはおりますが、本来は「もみじ」=楓ではなく、落葉広葉樹が、秋に紅葉(黄葉)する現象のことを指します。
もともとは、「もみち」
紅花(ベニバナ)で染色した反物を、川の中で揉んで余分な色を流し出すことが由来です。
揉んで血のような赤を流し出す、というのが「もみち」であり、その行為を「もみつ」と言ったそうですね。
それが平安時代以降、もみぢ→もみじと変化して行ったのだそうです。
そう言えば京都の清水寺に向かう産寧坂あたりに、もみぢ屋というお店があって、嬉しくなった思い出があります。
紅葉の仕組み
ここから、落葉広葉樹の秋の色変わりを、紅葉に統一しましょう。
なぜ、落葉広葉樹の葉が、秋になると色づき、やがて落ちるのか。
その仕組みは、こうです。
寒くなると、葉の付け根に「離層」と呼ばれる壁が作られます。
この膨らんだ部分が、我が家の楓の離層でして。
紅色と橙色の境目に離層ができています。
このために、葉で作られた栄養分が枝に流れることができずに段々溜まっていきます。
なので葉の色が変わるのです。
つまり、もみじとは、葉に栄養がいっぱい溜まっていく状態でもあるわけです。
そして目一杯、葉や葉の軸(葉柄といいます)に栄養分が溜まった時に、ハラリと離層から離れて地面に落ちる、これが落葉であります。
つまり、栄養たっぷりの葉が地面に落ちることで、その土の栄養になって行くわけです。
そうして肥えた土は、春になって多くの植物を育んでくれるという循環が生まれるのです。
もちろん、植物だけではありません。
植物が豊かに茂るという事は、そこで暮らす昆虫や微生物、そして動物達にも多くの恵みをもたらしますから。
どうです?
銀杏の離層、ハッキリしてますでしょ。
そんな感じで我が家の庭もにぎやかです。
私は落ち葉をゴミに出したり、燃やしたりは致しません。
先ほどの理由で、土に還すのが一番だと思うからです。
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊