☆植物と宇宙と歌謡曲
花
札幌では秋の終わりを迎えています。
あんなにたくさん揺れていたコスモスの花も、まばらになってきています。
以前に、コスモスの筒状花と舌状花のお話をしましたが、今日はその続きのお話です。
この筒状花
うまく受粉して、今ではこのように種になっていました。
この花をコスモスと名付けたのは、ギリシャの哲学者であり数学者であったピタゴラスと言われています。この宇宙や世界の全ては、「数」で裏付けされているという「万物は数である」という言葉でも有名です。
そのピタゴラスが、この花びら(舌状花)の規則正しい配列からこの名を付けたのだそうです。
コスモスの意味は、秩序や配列です。
この反対語が、混沌や混乱を意味するカオスです。
それと、お化粧をコスメ等と申しますが、これも整然とした調和を意味するコスモスが語源です。
宇宙
アメリカの天文学者であるカール・セーガン監修のテレビ番組「COSMOS」が1980年に世界60ヶ国で放送され大ブームに。
その翌年、セーガン著作の本「COSMOS」が刊行されこちらもベストセラーに。
私はこの時高校生だったのですが、コスモスは、宇宙を指す言葉だと知ったのでした。
もちろん語源は、秩序や調和を表すギリシャ語。
古代ギリシャでは、宇宙に関する研究や学説を、コスモロジーと呼んでいました。
そしてルネサンス期になると、宇宙全体をマクロコスモスと呼び、心や魂など人間の内面をマクロコスモスと呼んでいました。
人の内側もまた、宇宙であるという考え方からです。
こういうのが面白くて、高校の図書館などで本を読み漁っていました。
懐かしい青春の一ページです。
ちなみにカール・セーガンのCOSMOSの大まかな内容は、日本惑星協会にまとめられていましたので、以下にリンクを張っておきますね。
< 日本惑星協会サイト COSMOS コスモス梗概 – 「コスモス」全13話概説
秋桜
さて日本では、コスモスの漢字表記として「秋桜」が広く知られています。
これは山口百恵さんの大ヒット曲「秋桜」から定着した表記です。
それまでは、俳諧では「あきざくら」と詠ませていましたし、現在でもその読みが正道とも言われています。
コスモスが日本に入ってきたのは明治12年(1879年)。
俳諧でコスモスを秋桜(あきざくら)と収まりの良い五文字にしたのは、日本に持ち込まれた直後というはずもなく、、、おそらく各地に広まって広く知られるようになるには10年は必要かと思われるので、仮に季語の秋桜が生まれたのが明治22年ごろ(1889年)かなと。
そして山口百恵さんの秋桜が発表されたのが昭和52年(1977年)。
こうしてみると秋桜(あきざくら)と秋桜(コスモス)という言葉が生まれた時間差は、88年。
長い日本の歴史で見れば、ほぼ同時です。
秋桜(コスモス)の作詞作曲は、さだまさしさん。
当時ツッパリ路線の歌でスターとなっていた百恵さんに、日本的な女性の美しさが秘められていると感じたさださんが「嫁ぐ日の前の娘」としての歌を書いたのだとか。
この時作った歌のタイトルが、小春日和(こはるびより)。
これを、秋桜(コスモス)に変更したのは、音楽プロデューサーの酒井政利氏であったというのは有名な話です。
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊