☆秋のトンボ
来月、0歳児~2歳児の自然遊びプログラムの補助を頼まれました。
そこでドングリに穴を空けるという事なので、小さい子にそりゃ無理だろうと思いドングリ穴あけが大人なら1個10秒ほどでできると分かった昨日の朝。
玄関先の石楠花に、トンボがやって来ました。
この石楠花は、私の師匠の形見分けみたいなもの。
そこに、秋彼岸の最終日にトンボですから。
しかも私がかなり近づいても逃げない。
5分ほど居てくれたでしょうか。
嬉しくなりました。
☆トンボと秋津と日本
今回、私が見たトンボはいわゆる赤とんぼ。
アキアカネという種類です。
体もですが、背中全体が赤で、目が茶色でしたから分かりました。
アキアカネは私と同じで30℃を越える気温になると命の危機に陥ります。
ですので標高のある山の上の方に移動して夏を越します。
そこで成長しつつ体の色が赤くなりまして。
そうして秋になるとまた低地に戻ってきて私たちの目にとまるのです。
私は生まれも育ちも九州ですが、やはりアキアカネのように涼を求めて北海道で暮らし始めましたから。
ただアキアカネと違って、人生の晩年になっても北の地に留まっていますが。
さて、古事記。
ここに日本列島の呼び方で、こう書かれています。
大倭豊秋津島(おおやまととよあきつしま)。
倭については長くなるので明日あたりに回しましょう。
< ヤマトの歴史
この大倭豊秋津島の秋津、これはトンボの意味です。
古事記や日本書紀の時代に、日本列島がトンボのように細長いと分かっていたわけではないでしょうが、面白い命名ですよね。
☆トンボと精霊の話
秋彼岸の最終日に、師匠の形見の石楠花にトンボが止まった。
やはりトンボというのは、不思議な何かを感じさせてくれる虫です。
精霊トンボという、お盆の時期に大発生するトンボがおります。
その背にご先祖様が乗ってお戻りになるという伝承もあります。
日本人の自然に対するこういった優しい視線や思いが、私はやはり好きですね。
精霊トンボ、これは正式にはウスバキトンボといいます。
漢字で書くと、薄羽黄蜻蛉。
これが毎年東南アジアとか日本の南で4月あたりに発生して、メスは各地で約800個ほど産卵しつづけ、その卵も数日で孵化しヤゴに。
そして30日ほどで成虫になり拡がって行きます。
最終的に北海道まで来るのは8月中旬から9月。
つまり八月のお盆の時期には、日本中で飛び回っていることになります。
この時期になるとこのトンボが増えるねぇ、なんでだろうねぇ、きっとその背にご先祖様が乗ってお盆に帰ってみえるからだよと、そんな昔の日本人の思いから精霊トンボと言われるようになったのでしょうね。
こういう日本人の感性が、やはり私は素敵だと思うのです。
そしてこのウスバキトンボ。
気温が下がってくると南に逃げもせずにその地で命を落とします。
なので毎年毎年とてもつない努力をして、秋遅くに一斉に滅びるのです。
卵さえも寒さで絶えてしまうのです。
どうしてこういう行動をとるのか?
どこで毎年発生するのか?
それがまだハッキリ解明されていないのですから面白くもあります。
やはり私は、ご先祖様を乗せるためだけにこういう行動を取るのだろうと思う事にしています。
ちなみに精霊トンボも大人になるとやや赤みを帯びるものもあるので、赤とんぼ(アキアカネ)と混同される場合もあります。
こちらは、昨日の昼に近くの森で羽休めをしていた精霊トンボ。
空気は朝晩すっかり冷たくなってきた札幌であります。
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊