☆原始的な魚?
スナヤツメの特徴的な口
スナヤツメという生き物がいます。
一見すると、ウナギの仲間のようでもあり。
なので、ヤツメウナギという言葉もありますが、ウナギではないんですね。
そのヤツメウナギの中でも、川で暮らして一度も海に降りて行かないのがこのスナヤツメです。
特徴的なのは、口です。
ウナギには顎(あご)があって、口が上下に開きます。
まぁこれは普通の事ですよね。
ところが、ヤツメウナギと呼ばれる(正確に申しますと、ヤツメウナギ科)生き物には、顎がないんです。
専門用語で、円口類と申します。
この顎が無い生き物は、脊椎動物では5億年ほど前から2億年ほど前までは沢山いたらしいんですね。
これは化石からそう分かっているそうです。
ところが現代でも生きている顎の無い脊椎動物は、このヤツメウナギの仲間のみという事になっております。
なので、いわゆる生きた化石であります。
写真のように、こういう形の口になるのは、大人になってから。
これについては後度もう少し詳しくお話しますね。
スナヤツメの鰭(ひれ)
そしてウナギと違って、左右で対となる鰭(ひれ)を持たないというのも特徴の一つ。
左右の鰭が無い上に、体がウナギのように円く細長いわけですから、水の中でクルクルと回って上下が安定しませんよね。
なので主に暮らすのは、川の縁の泥底の中なのです。
いえ、泥底を好むから、左右の鰭が必要なかったとも言えますね。
スナヤツメの骨格
そして、脊椎動物でありながら、骨格がかなり貧弱です。
さらに、その骨もすべて軟骨というのですから、ふにゃふにゃなんですね。
これも、かなりかなり古い時代の生き物の名残り。
さすが、生きた化石ですね。
スナヤツメの鰓(えら)
鰓が特徴的なんです。
顔の左右にそれぞれ7つの穴があります。
これが鰓なんですね。
専門用語で、鰓孔(さいこう)と呼ばれています。
この鰓孔7つと、本当の目を合わせて、八つ目ウナギと呼ばれました。
その八つ目ウナギの中の「砂八つ目」は、川砂(川泥)の中に暮らすという事でこの名が付いたようです。
スナヤツメは、、、魚??
このように、脊椎動物としては極めて原始的で、しかも魚類のような顎もない。
なので厳密な意味では、スナヤツメは魚とは言えないのです。
じゃあ何かと申しますと、私はやっぱり、生きた化石という言葉がふさわしいと思います。
魚とか魚じゃないとか細かいこと言ってんじゃないよ。
こっちは、魚とかいう言葉が生まれる前からこうなんだから!!
なんて、スナヤツメの言葉が聞こえてきそうな感じではありますが。
とはいえ、水の中で暮らすウナギに似た生き物ということで、言葉は便利ですね。
狭義では魚類に含まず、広義では魚類に含めるといった、分かったようなわからないような扱いになっているんですね。
だからは私は、このスナヤツメを授業で子供達に見せてあげたいといつも思っています。
もちろん、やさしくすくってそっと水槽に移し、なるべく短時間で観察を終えたらまた元居た場所にそっと還す。
これが鉄則です。
それで数日前に網ですくったのが、この写真の、スナヤツメの子供だったんです。
この続きは、明日投稿予定の「スナヤツメと、やさしい園児」にて。
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊