☆飛ぶヌイグルミ
日本には24種類のマルハナバチが暮らしています。
フワフワとした毛がはえていて、飛ぶヌイグルミとも呼ばれているんですよ。
さて、その中で1種類だけ、外国から来たマルハナバチがいます。
それが、セイヨウオオマルハナバチ。
このハチです。
もこもこしていて、一見、黒と黄色の凶暴な色合いなんです。
ところが、良~く見るとフワフワの毛が生えていますね。
性質はおとなしいんで、こちらが手でつかんだりしない限り、刺されることはありません。
☆特定外来生物
さてこのハチ。
1990年代から日本の農業でもトマトなどの受粉に利用されるために積極的に導入されて行きました。
これが農業の現場だけに使われるのだったらよかったのですが、自然界に放たれるわけですから野生化していきます。
そして困ったことに、他の種類のマルハナバチの巣を乗っ取るんですね。
これが外来種の怖さで、日本在来種が大打撃を受けることになります。
さらに、このセイヨウオオマルハナバチは口が短いので、花の横に穴を空けて蜜を吸うんです。
この方法で蜜を吸われた場合、横から穴を空けられた花は「オシベ」への接触が起こらず受粉とならず、例えばあのエゾエンゴサクなどは受粉が出来ずに、全体の種の生産量が減るという事が確認されているんですね。
また、セイヨウオオマルハナバチが、日本の在来種と交配した場合。
在来種は、メスを産むことができなくなり、結果的に在来種の不妊化につながるのです。
そう言う事もあって、各地でセイヨウオオマルハナバチの駆除も進められていますが、どうにも増えすぎてる。
最初は、農業の現場で自然界の生き物の力を借りて楽ができる商品として売られていたのですが、結果がこうです。
私は、もっともっと人は自然に対して謙虚にならなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。
☆セイヨウオオマルハナバチは、この白いお尻
ちなみにセイヨウオオマルハナバチの特徴は、このように白いお尻です。
私が森で出会ったこの個体は、何か必死で地面を探っていました。
仮にお尻が黄色だったら、日本在来種のエゾオオハナマルバチ(北海道のみ)です。
なので、お尻が黄色だったら、そのマルハナバチは大事にしましょうね。
こちらも、とてもやさしい
キョンと同じように気軽に持ち込まれた、気の優しい、けれども恐るべき侵略生物なのです。
まったく、色々と困ったものです、色々と。
という事で、本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐