☆嘘みたいな自然の力
面白いなぁと思う事は、「自然」に接していてよく出くわします。
今日ご紹介するこの話も、そうです。
私の実家は、シイタケを作っていたのですが、こんな話を祖母から聞いたものです。
「雷が、シイタケを育ててくれるんだよ」と。
幼稚園児だった私はそれを鵜吞みにしていたんですが、小学生も半ばを過ぎると気づくわけです。
そんな非科学的な!って。
けれど大人になって、見聞きする世界も広がってきます。
そうすると日本各地に、雷とシイタケの生産量についての言い伝えが多い事に気づきました。
また、雷が多い年は稲の収穫量が増える、そんな言い伝えも。
私が師事した伝承園芸の師匠方も口をそろえて仰ってましたね、雷は植物を育てるんだよ、と。
☆稲と雷の実験
宮沢賢治さん。
私の大好きな童話作家でもあり、詩人でもあり、学校の先生でもありました。
賢治さんが、盛岡の教員時代に「雷と植物の生長の関係」を語っていたという資料が残っています。
賢治さんの凄い所の一つは、そういう科学的な話を、子どもたちに伝わりやすい童話に落とし込んだところです。
私もそうありたいと思いますが、なかなか難しいものですね。
さて、そんな賢治さんに感銘を受けた現代っ子も居るんです。
島根県の高校生(当時)池田圭佑さんがその人。
池田さんが実証して見せたのは、カイワレ大根に放電し、放電しなかったものと比べ約2倍の速度で成長することを実証して見せたんです。
嬉しいですよね。
私には思いもつかない実験です。
さらに、植物に使う水にも電気を流したあと使ってみたら、普通の水よりはるかに良く植物が育つことを実証して見せたそうです。
京都大大学院エネルギー科学研究科の岸本泰明教授は、放電によって空気中の栄養のであるチッソ(植物が利用する栄養の大切な一つ)が、電流によって水に溶け込むことがこの実験で証明されたと仰っていました。
☆雷とシイタケ
それで話は戻って、しいたけ。
こういう記事に出会ったんです。
2011年ですから、東日本大震災の年ですね。
「人工雷を落としてキノコを増産、小型の高電圧電源技術を応用」
なんと神奈川県川崎市に本社があるグリーンテクノが、シイタケの原木(シイタケを栽培するクヌギなどの朽木)に人口雷を当ててシイタケ増産する機械を造っちゃったと言うんです。
その名も「雷増(らいぞう)」
自然界は、雷をうまく組み込んで回ってるのだなぁと、感心しつつ、祖母の言葉を思い出していました。
古いものがけっして非科学的ではない。
当時の私は、それにようやく気付かされたものでした。
ばあちゃん、疑ってごめんよって。