日本の伝統色について

陰陽五行説 命の不思議
この記事は約6分で読めます。

< 緑色の秘密:古代から現代への歴史より続く

☆まず雑談から

私のFacebookの友達の戸塚さんからご指摘がありました。
このサイトの下の方?にあるニューヨークがなんちゃらと言う表記、あれなんですか?みたいなご指摘。
これですね。

「緑の命 Address 123 Main Street New York, NY 10001
Hours Monday–Friday: 9:00AM–5:00PM
Saturday & Sunday: 11:00AM–3:00PM」

私も、いったいこれは何だろう??でもまぁどなたも気づくまい、と放置しておりましたが。
気付かれたようです(≧◇≦)
システムに関して、ど素人ですが、その内なんとかしようと努力してみます。
ともあれ、私は札幌に住んでいて、ニューヨークには行ったことがない。
多分このサイトで利用しているWordPress(ブログやサイトを作れる世界的人気のソフトウェア)は、アメリカで作られたソフトですから、そこが表示されてるのかと思います。

さて、今日の記事に参ります。
ここしばらく、視覚から色について書いてまいりました。
今回は、前の記事の補足と、染色植物に付いて書き進めて行きます。

☆特殊な色としての2色

・黄色と茶色

前の記事、基本の四色で述べましたが、色に「い」が付くのが日本での最も古い色です。
つまり、青い・赤い・黒い・白い
日本の四色

ところがこれ以外に「い」がくっつけられるものが二色ありますよね。
それが「黄色い」と「茶色い」
こちらはけして、「黄い」や「茶い」とは書きませんよね。
ここになにか秘められたものがあるように感じます。
黄色と茶色

そこでまずは、これについて考えてみます。
あくまで、私個人の意見ですが。

・茶色について

まずは茶色について。

茶が日本に持ち込まれたのは、奈良時代の729年から749年の間。
宮廷や東大寺で、茶を飲む儀式が行われたのが最初の記録です。
しかし、この時代の人々は茶を薬として煮出して飲んでいました。
またその当時の茶は微発酵しており、現代の烏龍茶に似ていいました。
これがどうも、「茶色」という色の名前の由来にもなっているようですね。
茶

「茶色」という言葉が広く使われるようになったのは室町時代です。(1338~1573年)
この時代には茶が染料として使われるようになり、「茶色」という言葉が普及しました。

さらに江戸時代には、茶葉で染めた衣服が流行し、「茶色」の用語がより一般的に。
ただどうも、当時は、主に抹茶の色や、煎茶の色を指していましたようですね。
日本茶

こうして日本文化に深く根差した色ですが、基本4色より一般の生活で使われ始めたのは後の方です。
また、「色」を付けないと、植物の茶や飲み物の茶と混同するからだと思われます。
ただ、重要な色と位置付けられたので、基本四色に準じて、形容詞化のための「い」が付けられるようにしたのかなと思われます。
茶摘み
そして、この茶色の昇格について影響を与えた色が、黄色ではないかと私は考えています。
茶色

・黄色について

次に黄色です。
この写真は、今撮影したばかり。
そう、お茶です。
実家がお茶を作っていたという事がありますが、子供のころから日本茶が大好き。
それで、昔から思ってました。
緑茶とか、茶色って言うけれど、黄色じゃないか!って。
茶
これ、昔の方も思ったんじゃないだろうか?
当然、茶色と言う言葉が生まれた奈良時代の微発酵茶の時ではなく、普通に飲むこのお茶の色を黄色に重ねた。
それで、薬や染色や嗜好品としても日本文化にしっかりと根付いたお茶です。
茶色も、黄色と同等の扱いとして、形容詞化の「色い」を付けるようになったのではないかと。

では、基本四色でもない黄色が、なぜ特殊な形の「色い」で形容詞化されるようになったのか。
どうもそこには、陰陽五行説が関わっているようなのです。
黄色

・陰陽五行説

陰陽五行説とは、古代中国から発祥した自然と宇宙を理解するための思想の事です。
日本には、飛鳥時代(592~710年)に伝わり、明治の終わり(1912年)まで強い影響が続きました。

この思想では、万物は陰陽と、五つの元素(木、火、土、金、水)の相互作用によって成立していると考えます。
陰陽
まず「陰陽」は相反する二つの力で、全ての物事はこれらのバランスで成り立っています。
この「相反する力」は、基本四色でも見られましたよね。
太極
そして「五行」は、自然界の五つの基本的な要素を表します。
これらは相生(互いに助け合う)関係と相剋(互いに克服する)関係にあります。
陰陽
この思想は、自然現象の説明だけでなく、医学、占い、哲学など、多岐にわたる分野に影響を与えました。

・五行思想の黄色

この五行思想に基づく「五色(ごしき)」も日本の色彩文化において重要です。
これは、赤、青、黄、白、黒の五色を意味しています。
ここで出ました、基本4色+黄色。
日本の四色+黄
そして、この五色は、それぞれが特定の方位と結びついています。
青は東で、西が白。
南は赤で、北が黒。
そして中央が、黄色なんです。

また季節とも関わっています。
青が春なら、秋は白。
夏が赤なら、冬は黒。
そしてそれぞれの境目が、黄色。

もう一つ行きましょう。
青を「木」として、白は「金(金属)」
赤を「火」として、黒は「水」
そして黄色が「土」を表すんですね。

他にも、青龍・白虎・朱雀・玄武・黄龍なんてことも申します。
余談ながら青春と言う言葉はここから来ています。
黄+日本の四色

つまり、五行思想で黄色は中央の色であり、日本人の生活を支えた土を表します。
そこで、基本四色とは別格に形容詞化したのではないかと私は考えています。
そしてのちに、その黄色にあやかる形で茶色が形容詞化したのではないかと。

いえ、あくまで推論ですけれど。

☆まとめの雑談~こいのぼり

・陰陽五行説とこいのぼり

まぁこうして陰陽五行説からの基本四色、それに派生して黄色と茶色の謎について書きました。
それでふと浮かんだのが、こいのぼりです。
五月の端午の節句に飾りますよね。
こいのぼり

あれがなぜ、鯉なのか?
これは大陸の歴史書「後漢書」から来ています。
そこに記されている、黄河の竜門と呼ばれる激流を登った鯉は竜になれるというのが、いわゆる「登竜門」

この登竜門にあやかって、子供が立派に成長しますようにと鯉の絵を描いてかかげた幟(のぼり)が大元らしいです。
その頃は、武者を描いた武者幟もあったのだとか。
これが今の武者人形になって行ったのかもしれませんね。

そして鯉幟は、いまの吹き流しの形になって登竜門の話と重ねていったのでしょう。
だとするならば、鯉の色は、基本四色+黄色の五行色であるのが普通でしょう。

それで調べてみると、どうも江戸時代までは鯉のぼりは黒しかなかったそうです。
黒は水ですからね、ふさわしい。
ところが明治になると、赤い鯉が加わった。
水に火。
暗と明。
基本四色の対比色ですね。
黒赤

それで昭和に下ると、それに青が加わった。
黒赤青、基本四色の内、三色が揃ったわけです。
しかし、ここで困ったことに、残る色は白。
映えませんよね、今で言うバエない。

まぁ、白や黄色は吹き流しに現れてます。
つまり、正しい吹き流しは、黒・赤・青・白・黄色ですね。

・鯉のぼりの多色化

それで、東京オリンピックです。
あの五輪のマークでピンときた商売人が、ねぇ、思いつくんです。
五輪

現在では、それはそれは鯉のぼりの色合いのきらびやかな事、となるわけですね。
ガンバレ!今の子供達!!
鯉のぼり
という事で本日ここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日を💐

< みどり色の謎へと続く

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
命の不思議
シェアする
KAZUHIKOをフォローする
タイトルとURLをコピーしました