不定根

ノブドウの不定根 ささやかな発見
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☆ノブドウ簡単栽培実験、その後

・1ヶ月ちょっと前

9月28日でしたね、ここでノブドウについて書いたのは。
< 初心者向け!魅惑のカラフル薬草
ノブドウ

こんなキレイな実のなる野草が、私の家の近所の道端に生えています。
それをこの日に、20㎝ほど手折って、コップに水を入れて窓辺に置いておきました。
コップの水の深さは7㎝ほど。
それを、濁らないように3日に1回入れ替えつつ。

・ノブドウ、なう

そうすると、3週間後には、切り口付近から「根」が出てきました。
そして5週間後の今朝、その根はこうなっていました。
ノブドウの不定根

見えづらいので、外に出してみましょう。
こんな感じです。
ノブドウの不定根

ここでああ、失敗したなと気付いたんです。
比較のために9月28日の時の切り口の写真を撮影しておけば良かったですね。
もちろんその時は、何の変哲もない、ただのシュッとした小枝でした。
それがこうして、根を出すに至っています。
こうなるとほぼ大丈夫。
いずれ鉢植えにもできますので。

・不定根

さて、こんな感じで、本来根の生える場所ではない部分に生じる根の事を、不定根と呼びます。

この不定根が切った枝の下に出てきたら、それをしっかり茂らせて、そして植えこめばきちんとその植物は育ってくれるようになります。
なので、このノブドウはもう大丈夫という訳です。

これはさらにノブドウの不定根をアップした写真。
どうです、生きるために必死にたくさんの根を出そうとしていますね。
ノブドウの不定根

不思議なことに、こうやって増やした植物は、元の植物と遺伝子が同じ。
いえ、それ自体は当たり前の事なのですが、ヒトに当てはめると不思議に感じます。
親と全く同じ生き物が、こうやって増えて行くのですから。

☆遺伝子

・栄養繁殖

こういう植物の増やし方を、専門の言葉で「栄養繁殖」と言います。
こちらは、再びヒトで例えるなら、「お父さんと全く同じ人が、お父さんから増えていく」こと。
同じように、「お母さんから、お母さんと全く同じ人が増えていく」ことです。
と、いうことは、です。
全く同じ生き物(細かい遺伝情報まで同じ)であるなら、栄養繁殖を続ける限り、不老不死という事になりますよね。
なんという神秘でしょう。
そして、命となんだろうという事を、考えさせてくれる現象ですよね。

私は長年植物に関わってきてますが、いまだにこの不思議さに魅了され続けています。
ノブドウ

・種子繁殖

一方、植物にもお父さんお母さんがいて、協力し合って次の世代の命を作り上げるやり方があります。
これはヒトと同じですよね。
植物の場合これを専門の言葉で、「種子繁殖」と言います。

植物のタネには、父親側の(オス側の)遺伝子と、母親側の(メス側の)遺伝子とがうまく混ざり合っています。
なので、タネによって生まれてくる植物には、父側と母側の性質が約半分ずつ入っている。
つまりは、父とも母とも似ているが、まったく同じでは無い命が生まれるという事なんです。

この事は、とても大切な意味を持っています。
時代ともに環境は変化するものですから、生命もそれに合うように変化しなければ、生き残れない可能性が高いと、こういうわけです。
ノブドウ

☆まとめ

このように、植物には不老不死の実現と、環境変化に対応する進化のための繁殖を同時に行える力があるという事が言えるのですね。

こう考えると、というかこういうふうにみると、これまでそこらへんに勝手に生えていた色んな植物達に、ある種の敬意も生まれてくるはずです。

私なんか、もうずっと尊敬しっぱなし。
でも、植物の慎ましやかな処は、そんなことお構いなしにゆったりゆったりと日々を送っていることかもしれません。

さて、話は戻ってノブドですが、先日の旅の終わりの道端にも生えていましたので20㎝手折ってきました。
そして飛行機で一緒に札幌へ。

はたして熊本のノブドウは札幌のノブドウと同じように3週間で不定根を出すのか?
これを現在実験中であります。

さて本日も最後までお読み下すってありがとうございます。
11月の始め。
今日があなたにとって佳き日となりますように💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
ささやかな発見
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