雑節~節分2026

お多福 旧暦(太陰太陽暦)
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☆冬の終わりと、春の始まり

鬼は外について~追儺

さて、いよいよ明日は立春。
その前日の今日は、冬の節分、冬をお見送りする日です。
節分
一年に節分は四回あるのですが、一番有名なのがこの冬節分。
何故一番有名かと申しますと、文字通り、新春を迎える年の区切りの日、だからです。
なので今夜は、豆まきをするご家庭も多いのではないでしょうか?

文字通り、鬼は外へ去ってほしいし、福は是非来てほしいので、我が家でもささやかながら豆まきを行います。

昨年も書きましたが、鬼はこの世ならざる力の象徴でもありますが、節分で払うのは鬼の中でも邪気(邪鬼)であります。
意味の分からない、人外の邪気邪念悪鬼は豆の持つ力で圏外へ追い払いましょうという節目の行事。
鬼 追儺

追儺式(ついなしき)とも呼ばれるこの行事。
儺は、人偏に難と書きます。
人に就く難を追い払うのが、追儺なのです。
節分

福は内について

昨年までは、先ほどの様な「鬼」に焦点を当てて書いてきました。
そこで今年は、福について少々書くことにします。
節分

冬節分の豆まきでの言葉で、鬼と言うのは人からは計り知れない奇妙で害をなすモノと言う事なのですが、福についてはすんなり理解しやすいですね。
人に幸福をもたらすモノ。
それが「お多福」のお面で表されています。
お多福
お多福風邪という病気がありますが、正式名称は、流行性耳下腺炎。
ウイルス(ムンプスウイルス)の感染で、耳の下が腫れあがって痛みが伴うのが特徴。
この耳の下が腫れあがった状態が、お多福のように下膨れの顔になる事からその名前が付きました。

下膨れの女性の顔が、お多福。
福が多いと書きます。
ちょっと謎ですよね。
「このおたふくめ!」等と容姿を蔑む侮蔑語としても使われるのでややこしい。

福の正体

ややこしいので分けてみていきます。
まず、福について。

これは古来、食生活もままならなかった頃の名残りとも言われております。
この頃の幸福の基準は、食生活が満たされて安心できることだったそうで、これは想像に難くないですよね。
食生活が満たされていると、体つきも顔つきもふくよかになって笑顔も増えてくるでしょう。
お多福
そう。
「ふくよか」になってくることが、福なのです。
漢字で書くと「膨よか」
膨らむんですね、まずはお腹が。
現代では普通の事でも、昔は満腹に食べたいと願っても叶わない事の方が圧倒的に多かったでしょう。

そこで、満ち足りた食生活の象徴が、あの笑顔のお多福さんとなったという説があります。
それとは別に、膨らんだ顔がフグのようだからという説や、狂言の「乙御前」が美人ではなく男に逃げられるというところから、乙御前の乙から、乙福、お多福に転訛したという説までありますが、私は古代の食生活から発生した美意識(女性の)がお多福さんかなと思っています。
お多福
実際に古代では、栄養状態が良く(現代の意味とは別で)ふくよかな状態の女性の方が、生命力の強い子を産むことが出来るという子孫繁栄の面での意味合いも強かったと思うのですが、皆さんはどう思われますか?

そういった様々な福が、我が家に来ますようにと言うのが「福は内」の正体といいますか、強い願いを秘めた言霊なのではないでしょうか?
お多福

おかめ

そして時代は移り、人々の食生活も徐々に満たされ始めた江戸時代あたり。
女性への美の基準は変容していき、これまで美徳とされていたふくよかな女性の地位は下がって行ったのだと思われます。

そこで生まれてきたのが、お多福に対する侮蔑的な意味合いです。
それがやがて「おかめ」と同じ意味合いを持つようになってきます。

この「おかめ」と言うのは、里神楽に出てくる、頬が丸く膨らんだ女性の道化面。
元々は鎌倉時代に実際に居た人物だとも言われています。
その名も阿亀(おかめ)。
大工の棟梁の奥様で、主人の名誉を守るために自ら命を絶ったという女性です。

その阿亀さんの旦那さんである棟梁が建てた御堂が完成。
その折に、阿亀さんを偲んで奉納したというのが扇御幣。
現代でも、上棟式の折に収められるあの御幣です。
扇御幣
このような出来事から、オカメさんは本来、災難除けだとか、家内安全を意味するのです。

なので、確かに面としては似ているのですが、お多福さんと阿亀さんは似ておりますが別人です。
そしてこうしてみると、侮蔑語として用いられる事があるのがなんとも悲しくもあります。

オマケ~大福餅の話

私は大福餅が好物でして。
ここではこの話も少ししておきましょう。

大福餅が出来たのは江戸時代初期と言われております。
元々あったのは、鶉餅(うずらもち)でして。
こちらが京都表千家の鶉餅。
表千家の鶉餅
こちらは信州うづらやの鶉餅。
信州うづらや 鶉餅
それからこちらが、あの虎屋の鶉餅。
虎屋の鶉餅

この鶉餅から表面の焼きや芥子の実などを除き、簡易にしたのが大福餅だと言われております。
本来は、鶉餅より小さく食べやすかったのだとか。

しかも腹持ちが良いので、大腹餅と呼ばれ。
いやいっそ縁起が良いので腹を福に変えて大福餅となったと申します。
お多福
つまりここでもお多福さんと同じく、満腹の倖せが、福となったようで。
腹と福はつながりがあるという事で本日はここまで。
鬼餅
最後までお読み下すってありがとうございました。
梅の花
明日からはいよいよ春です。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
旧暦(太陰太陽暦)
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