☆宮崎県えびの市にて
カルデラを歩く
そんなわけで。今日は更新がスッカリ遅くなりました。
昨日午後、札幌を出まして紆余曲折ありつつも今朝、なんとか目的地の一つ、宮崎県えびの市に到着。
ここは、加久藤カルデラとも呼ばれる場所でして、おおよそ34万年前に起こった火山噴火は破局噴火と呼ばれる世界災害規模のものでした。
その超巨大噴火のために、地下のマグマなどが一気に大気中へと吹き飛びまして、その空洞となった地下に地面が落ち込みまして、今のえびの盆地になったのです。

写真からも分かるように、この広い広い盆地規模の火口ですから、想像するだけでその噴火の恐ろしさが見えるようです。
ドドドドという継続的なものではなく、一気に爆発的に起こる超巨大噴火、その痕跡がカルデラなのですから。

少し不思議な馬頭観音
そして私が今回見ておきたかったのがこちら。こういった土着信仰の場所です。
フラフラと山際を歩き始めて2時間過ぎたあたり。豊作祈願らしき風合いの鳥居に出会いました。

こういう物は実は、古来より日本人が自然に対して抱いていた畏怖と敬愛の痕跡という場合が多いと感じます。
それで、今回出会ったこの鳥居の奥の祠に祀られていたのはと申しますと、馬頭観音でした。元々は畜生道に堕ちた人の魂を救済するという仏様です。
お参りしてのち、よくよく中を見てみますと、これが面白いのです。馬頭観音の特徴である頭上にあるはずの馬の頭がスッパリ切られたように無くなっていたのです。
これは何かの間違いなのか、それとも深い意味があるのか。いつかなにかの拍子に答えが見つかるかもしれませんが、しばらくは不思議不思議とあれこれ思案して動けませんでした。
それからこちらの写真。
馬頭観音様から鳥居を通して、霧島連山が正面に見えています。

但し、まさか観音様にお尻を向けて撮影するなどと失礼な事は出来ませんので、少し祠の横に立って思いを巡らせておりますと、おや?鳥居越しに向こうにも何かの謂れがありそうなこぢんまりとした森が見えましたので、行ってみることにしました。

不思議な祠と、消えた巨木

鳥居からしばらく進んだ小さな辻に、巨木を二本伐採した後があり、そこに、祠が三つ並んでおりまして。

コンクリート製で、屋根は青いペンキを塗られたばかりのようにピカピカしておりましたが、祠の中がやはり良い味わいを醸し出しておりました。
神仏に味わいなどと不遜な表現をとお感じの方もいらっしゃると思います。まぁ、次の写真達をご覧ください。
通りかかった住民の方の許可を得て、祠の中のご神体を撮影しました。



なんと中に鎮座しておりましたのは、霧島火山帯の噴石だったのです。
以下は私の推測ですが。

えびの盆地を形成した火山を鎮めるための噴石を祀り、その祠を更に包み鎮めるために巨木のある場所に安置してのではないか。
ただ近年、テレビやネットのメディア情報が眩しすぎて、本来のその場所に巨木が有る意味を見失ってしまっている部分ものではないかと思われるのです。そこに星があるにも関わらず、眩しすぎる太陽光によって打ち消される、そんな感じで。
多分ですが、住民生活の邪魔だと判断された巨木は、ほぼ地際からバッサリと伐採されてました。助けを求めるように、蘖(ひこばえ。)達が空に向かってニョキニョキ。
本来、巨木がそこにある意味を見失わなければ、こういう思い切った、ある意味雑な伐採はできないはずなんだがなぁと、ちょっと悲しい気分にもなりながら、その場を後に。

カルデラを歩き終えて
本当はもう少しあれこれ見たり調べたりしたのですが。これ以上は余りにマニアック過ぎる内容なので割愛します。

えびの盆地、快晴。
なんとも穏やかな一日。そんな散策途中、思いがけず、今回初めてお会いする友から連絡が入りまして。

それで、車通りが多い場所に降りてきまして、友待ち。しかし初めて会うのでどなたでどこなのか分からないという小混乱。
そんな私を、落ち着きなされと諌めるような不思議な像一つ。

何か物語を秘めていそうな川辺で友を待ち。

そんな私を、頭を垂れて見守る稲穂の群れ。
こちらはこれから、実り多き秋たけなわという、そんな私の本日の旅日記でありました。

というわけで本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ、などと何時ものように締めようとしましたが、もう既に22時12分ですね、、、。
ああ、いろんなことがあった一日でした。ではでは。

