薬玉~従妹たちの絆

折り紙の薬玉 喫茶~言の葉
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☆老女講釈師

札幌はもう完全に朝晩は秋です。
青空もスッキリと遠くまで拡がって、風がとても爽やかで。
そんな青空に、突然激しい雷鳴が轟いたら誰でも驚くと思います。
この、澄み渡った青空に突然雷が激しく鳴り響くことを、青天の霹靂(せいてんのへきれき)と申しますね。
アスパラガスの赤い実

まさに私にとって、青天の霹靂でした。
今年5月に90歳になったばかりの母が、講釈師になるというのです。
講釈師
羊羹を食べながら犬猫花の話をたらたらとするのが好きな高齢の母が、歴史も話芸も無関心無頓着な母が、何を血迷って講釈師になると決めたのか、もうこれ以上に無いという位に驚かされました。

しかも、40代半ばの髪を七三に分けた冗談を生まれてこの方一度も口にしたことが無いと言ったような身長155cm前後の男が母に寄り添っていて、なんでもマネージャーだという。
芸名が「癇癪亭 薬玉」となりましたとマネージャー。

か、、、かんしゃくてい くすだま!!

驚く私の目の前で、ちょっと地味なマツケンサンバ風の衣装を着て自慢げに90歳。

☆癇癪亭 薬玉

命名の妙

大笑いしながら目覚めた
時計を見るとまだ午前2時。
大迷惑の夢である。

癇癪亭薬玉だって、、、夢と分かっていても笑いが止まらない。
笑いが止まらぬまま午後2時半になった。

しかし中々の命名である。
考える。
頭が冴える。
余計に眠れなくなる。

下の名が薬玉なら、上は普通「感謝亭」が妥当な所。
ところが母の場合、「癇癪亭」
面白い、弾けてる。

癇癪(亭)

癇癪とは、小さな子が突然良かったり暴れたりすることで、癇癪を起す等と申します。
ただここでは、下の名が薬玉という穏やかでおめでたい玉なので、やはり上の名も玉なのでしょう。

お若い方はご存じないかもしれませんが、癇癪玉(かんしゃくだま)というものが駄菓子屋さんなどで売られておりました。クラッカーボール等というふうにも呼ばれていましたね。
癇癪玉
これは、火薬の玉の中に小さな石などを練り込んだもので。
これを地面や壁に叩きつけると、パチンと破裂して火薬の香りが拡がって実に楽しかったものです。
パチンコでも打ってましたね。
パチンコ
まぁ賑やかでちょと危険で楽しくて、火薬を使えるだ何で少し大人の気分を味わえたものです。

ただこの癇癪玉。
10年ほど前から製造されていないようですね。
子供達に危険だという事で。
個人的には、世の中が過保護過保護に動いていて、結局軟弱な大人を量産して行ってる気がして残念でなりませんが。
癇癪玉

薬玉

平安時代あたりでしたでしょうか。
大陸の方から日本に渡来してきた文化です。

現在では、あのパカッと割れて、中から紙吹雪や紙テープや風船や垂れ幕が降って来る、あれのイメージですね。
薬玉
しかし元々は、延命長寿や無病息災を祈るための飾りでした。
薬玉
薬の玉ですから、布袋の中に薬草や香草、それに香料を詰めた、薬効のある香り袋と言ったところでしょうか。
薬玉
余談ながら、薬という文字は、草冠に楽と書きます。
特定の植物を体に摂りいれて、体調を楽に変えていくものという意味です。
漢方薬
そうした意味の延長から、邪気払いの意味も込められました。
薬玉を飾って、病気を未然に防ぐ「未病」という祈りも込められていたのでしょう。
薬玉
ちなみに、折り紙の薬玉は、この本来の延命長寿や無病息災に邪気払いの薬玉を模したものです。
折り紙の薬玉

命名まとめ

こうしてみると、パチンパチンと元気に弾けて邪気を吹き飛ばす癇癪玉の快活さと、静かに長寿と安寧を願う薬玉の落ち着きが共にある癇癪亭薬玉は、絶妙な命名です。
そんな事に感動しながら時計を見たらもう午前4時半。
布団の中でぼんやり考えていたことを、これはもう実際に調べないと気がすみません。
ああ、ここまで書いて、楽しかったです。
寄席文化

☆叔母の米寿と、従妹たちの絆

しかしなぜこのような、目出度いような嬉しいような、青天の霹靂のような夢を見たのか気になりまして。
それがもう午前5時半。
辺りは明るくなってました。

不意に思い当たったのは、昨夜、宮崎の叔母からかかってきた一本の電話です。
叔母は今月1日に満88歳を迎えました。

私は家内とその半年前。
今年の3月に、叔母の米寿の前祝として伯母を訊ね、楽しい時間を過ごしてきました。叔母の近所のお地蔵さん

叔母の淹れてくださった美味しい緑茶の味は、今も忘れられません。
叔母が淹れてくれた美味しい緑茶

しかし、私たちの来訪は、叔母の米寿祝いの露払いでしかありません。
今月、どんな米寿を迎えたのだろうと気になっていた矢先の、昨夜の電話でした。
固定電話

叔母の声は弾んでいました。
私たち宛てに、野菜を送った事。
そして先週、東京・大阪・福岡・宮崎にそれぞれ暮らす娘たちが十年振りぐらいに集まって、大分県の温泉に連れて行ってくれたこと。
湯布院

皆で集まるだなんて、ステキな叔母さんの娘たち。
なんて素晴らしい我が従妹(いとこ)達。
電話を切って、嬉しくて少し涙が出て。
こんな良い話に触れられて。

きっと私の潜在意識が、癇癪亭薬玉さんを生み出したのだろうなあと妙に納得の朝です。
叔母さん、いつまでも元気で健やかにお過ごしくださいの願いを込めて。

さて今日は、世界的にご活躍されてる方にお会いする大事な日。
でもすっかり寝不足。
頑張ってきます。
今日はいつも以上にとりとめのない話でしたが、どうしてもどうしても書きたかったのです。
薬玉

という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊🎊

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
喫茶~言の葉
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